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芸術社会学講座2005 - *2005年度見田宗介「芸術社会学」講演会報告

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*2005年度見田宗介「芸術社会学」講演会報告

*このページを作成した者よりお詫び

見田先生の講演を聴講した報告を、たまたま別の人たちから求められレジュメなどを作りましたので、
こちらにも更新させていただきました。
かなりわかりにくいまとめ方になったかと思います。すみません。

*大竹財団講演会「マグリット、ダリ、ミロ 現代美術と現代社会」概要

 ■チラシ案内文より
  (2004年度に行われた同名の講演会と大きな差はなし)
  芸術社会学とは何か?シュルレアリスムの巨匠らの現代美術を通して現代社会を考える
  「現代社会の理論」の著者、社会学者見田宗介さんの講演会
 ■日時
  10月24日(月)18時30分〜20時50分 於日本教育会館 財団法人大竹財団主催
 ■特に、前回(2004年のもの)とお変わり無いような案内でした。

*遅刻(昨年に引き続き)
 「共立女子大の学生に質問を受けているので少々遅れます」と助手からの連絡有
  30分ほど見田宗介氏の略歴を聞いて過ごす。
  さすがに大澤真幸先生は、今年は現れず。

*見田先生到着、講演会開始

**見田先生が作成してきたレジュメ転載
�機峅鯔饗罎両紊任離潺轡鵑藩了韻龍�然の出会いのように美しい!」
 (ロートレアモン「マルドロールの歌」→)

・クラシックの美学とジャズの美学
・均質空間論 現代建築の美学
・共同体の美学と都市の美学

object 対象
(その本来の場所と文脈から解き放たれて)自由に浮遊する事物やパーツ。
 その偶然の出会いと新しい結合の美学

subject 主体
共同体から解き放たれて自由に浮遊する現代社会の「個人」たち。その偶然の出会いと新しい結合の夢

◇シュルレアリスムの絵画が与える自由感、解放感と、不安

□現代社会の人間の恍惚と不安
偶然の閃光 <自由であること>の歓喜と不安

�供嵜祐屬箸いμ召痢�幾重もの底をもったこの箱を無限に開いてゆくこと」
(第2宣言→デュプレシ)

・夢 無意識 想像力の解放 <深さ>の美学
・<見えない次元>を見えるものにする
・→「完全な人間」を実現すること
・「高次のリアリズム」

��+�供 禺�由な共同体の夢>



**導入的部分と今回のテーゼ

 ■芸術の2側面
 �仝渋綣匆颪鯢修溝μ漫併�代の反映)   
 ��現代社会を超越する側面(時代の超越) 
  ※本講演では、�,鮹羶瓦妨�てゆくとのこと

 ■シュルレアリズムの特徴
 「解剖台の上でのミシンと洋傘の偶然の出会いのように美しい!」
  →コンテキストフリー 
   ※マグリット「夢の鍵」…無関係のものが並んでいる、コンテキストフリー、
    バラバラのものの出会い

 「人間という名の、幾重もの底をもったこの箱を無限に開いてゆくこと」
  →より高次のリアリズムへ
 
**本題的部分

<幾つかの例示>

 ◆クラシックの美学とジャズの美学
  ※クラシック→終わり方がはっきりしているリズム(構造のしっかり見えている人生)
  ※ジャズ  →いつでも終われるリズム(偶然性の中にただよっている)

 ◆均質空間論。現代建築の美学
   ・近代建築の極限としての現代建築
    ・近代建築の極限としての現代建築
  ・表面がつるんとしている建築
   →フロントが1枚(ガラス張りの窓など、すっきり均質化)
   →均質的にできているので、建物の適当なところで、分断しても大丈夫

 ◆共同体の美学と都市の美学
  ・伝統的美学…あるべきものがあるべきすがたであるべき生き方である
  ・時計がぐにゃっと曲がっている、文脈から解き放たれ、浮遊する(以下�,抜慙◆�
   →現代人の(主体としての)あり方そのもの(以下�△抜慙◆�
    このあり方のポジティブな点…��
    このあり方のネガティブな点…��
 
 ��object 対象
 (その本来の場所と文脈から解き放たれて)自由に浮遊する事物やパーツ。
 その偶然の出会いと新しい結合の美学

 ��subject 主体
 共同体から解き放たれて自由に浮遊する現代社会の「個人」たち。その偶然の出会いと新しい結合の夢

 ��と��
 ◇シュルレアリズムの絵画が与える自由感(��)、開放感(��)と、不安(�ぁ�


**これから絵を見ていく上でのポイントの列挙(見田先生がホワイトボードへ列挙)

 ○距離のパトス(ニーチェ) 
 ○疎外感、遠隔感
 ○「遠いもの」に向かう切実な心情

 人間の根源的な2つの欲望の矛盾
 ○根を持つこと root
 ○翼を持つこと wing

 ○空間のflameの解体、解放
 ○atomicな社会(atomicな時代、原子力と個人)
   ※atomicとin-dividual→この2つはそれ以上分割できないもの
 ○meditation(瞑想)
 ○liberation(解放)

**絵画に関する説明は、2004年度のものと同じでした
 2004年度の講演会をまとめたページの方がすっきりまとまっていると思います
 よって、このあたりは、省略します

簡単に、絵画に関する見田先生の解説のポイントだけ列挙します
■ミロの絵画の梯子は、解放への憧れ
■ミロの青のシリーズは、抽象画のもつ冷たい雰囲気ではなく突き抜けた開放感がある
■ダリの絵画には、母(根である部分)を呼ぶ切実な心情が見える
■ダリの絵画には、集合的無意識のようなものが見て取れる
■シュルレアリズムに見る、自由・解放・不安・孤独
 
**今までの講演内容と関連することとして

○瞑想→解脱、解放
○西洋の思想と東洋の思想ではリベルテの意味が違う
○欲望からの解放→解脱(リベルテと訳される)

自分のふるさとを離れる
→近代以前の社会の人々…封建制と共同体
            解放されたければ出家
            出家することが近代以前の人々にある唯一の自由

○近代人と現代人はすべて出家した人々(ムラを出る)
 →「根なし草」「家郷喪失者」「精神的なホームレス」

○「共同体の束縛」→自由・解放・不安・孤独

◇シュルレアリズムが描いた自由・解放・不安・孤独
◇理性による人間の表現→シュルレアリズムが反逆した点
 「シュルレアリズム」→高次の(真の)現実を描こうとした
            理性だけでは描けないような部分を

**質疑応答より
◇翼について(質疑応答より)
 Q集合的無意識までつなげる(ダリの絵にみる集合的無意識についての質問)点は「根」のような感じ? 
 Aだいたいそんな感じ
  お前の根っこは何なんだ?という問い
   →突き詰めてゆけば根っこの根っこは存在そのものだ
    →だから人間の根っこをひらいてゆくということは、翼の問題でもある

◇自由な共同体とは?(質疑応答より)
 質問者Q自由な共同体とは?
 見田Qあなたの思う自由な共同体は?(質問を質問で返す)
 質問者Aシュルレアリズムの絵にあるような、抽象的だけど冷たくない感じの…
    突き抜けた感じの…自由な共同体のイメージとして、見田先生は今回あのような絵を取り上げたのでは?
 見田Aそうですね。自由な共同体というのは、色々な学問が追求しているトコロ
   シュルレアリズムは突き抜けた自由感があり、冷たさがない
   根を持つことと翼をもつことという矛盾したものを共に満たす


◇共同体の持つアンビバレンス
見田先生「共同体と聞くと、アンビバレントな気持ちになるんじゃないでしょうか?」
    「共同体というとき次のような点が重要ですね」

��	個人の自由がある/ない
��	開かれている/いない
��	共同体のもつ深さの次元(この深さとは?具体的には?→見田さん自身言葉にできない)


*作成者による、まとめ
�.轡絅襯譽▲螢坤爐�ら受けるイメージ
 →翼をもつことと根をもつこと、という人間に根源的な2つの欲望の矛盾の乗り越え可能性
  (シュルレアリズムの持つ、抽象画なのに冷たくない感じ)

�△靴�しながら、シュルレアリズムに現れる不安と孤独(根の不在?)

��シュルレアリズムの美学
・高次のリアリズム(人間存在のより重層的な把握)
 →この美学が、根と翼の矛盾の乗り越えに示唆的なのでは?

� 銑�のようなことを言っている気がしました。

しかし、結局「シュルレアリズムの絵画が提示するのは自由と解放/不安と孤独」という結論。
「根を持つこと」と「翼を持つこと」の間にある矛盾の「乗り越え」自体を、
見田先生は、シュルレアリズムの美学に見て取れたのか、見て取れなかったのか、
その辺があいまいな感じで終わった気がする。