【2019年1月15日(火)20:00~21:30】インド仏教 梵語真言響きの世界

【インド仏教 梵語真言響きの世界】

インドで仏教とサンスクリット語を学んでいる平田博満さんが
昨年のインド滞在の報告トークと現地で学んだことを歌で伝えてくれます。

真言(マントラ)読誦がどのような力をもつか
歌を通して体験できる貴重な機会になると思います。

和やかな会になると思いますので、お気軽にお越しください。

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平田さんからのメッセージ

みなさま明けましておめでとうございます。2019年この新春に、インドを行脚しヨーガと仏教、そしてサンスクリット語を学ぶ私が気流舎でお話会、演奏会をさせていただくことと相成りました。

現地で体験しているヒンドゥー教や仏教の世界、サンスクリット語とそれに纏わる行や旅の話などを交えつつ、その詩や歌をギターを片手に弾き語るトークライブの会となります。トークライブとはいっても横槍大歓迎、気流舎の温かいチャイなどをいただきながら、余興つきのほっこり座談会のようなおつもりでいらしていただけたら幸いです。

以下、今回の会の導入としてしたためた長文を記載いたしますので、お時間のある方はお目を通していただきますと、なんとなく雰囲気が掴めるかと思います。よろしくお願いいたします。

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「神は語りえざるをもって語らず 人は語りえずして語る 人は真言を知らずして万学をとき 神は万象に通じて一言を説かず」ー福岡正信

「維摩の一黙」や「拈華の微笑」といった仏典の言葉に代表されるように、古来東洋の世界では沈黙を尊び、言語以前の世界に真理をみる、そういった伝統が今日まで伝えられてきました。西洋では近代になってソシュールら言語学者たちが、私たちの認識は言語という差異の体系に依存して成立していることを明らかにし、その概念化の作用を通して私たちの前に現れているこの世界は、必ずしもそのままのあり方で存在しているわけではない、ということを示しました。それは言い換えるならば、実在とは(仮にもしそれがあるとするならば)、言葉によっては言い表せ得ぬもの、ということになるでしょう。『老子』にはこうあります。ー道は常に無名なり。ー

それでも私たちは、言の葉を紡ぎ、会話を交わし、歌を歌います。
完全に伝わらないとはわかっていても、それでも伝えようとすることを止めないのです。
私はそこに、この人という生きものの、健気さ、いじらしさを見ます。

私は、インドの古典語であるサンスクリット語と、それに纏わる瞑想といった行を、現地で学び暮らしているものです。
文法を学ぶ傍ら、マントラ(真言)あるいはスートラ(経)読誦の法を自らの仏教、あるいはヨーガの行としています。
このマントラ読誦の法は、空海が唐に留学し日本に持ち帰って以来、真言密教として主に仏教僧の間で修されてきました。日本でもすでに千年以上の伝統をもつものとなりました。
なぜこの真言読誦の法が極東日本でこれだけ膾炙することができたのか。私はそこに、サンスクリット語のもつ不可思議な音の力と、日本の言霊思想との親和性を感じずにはいられません。

私はサンスクリット学者でもなければ、言霊学の専門家でもなく、一介の修行者でしかありませんが、ほとんど絶滅したかのように思われている、サンスクリット語に根ざした大乗仏教の行者の法脈に連なる師に出会い、そこで教えに預かるという貴重なご縁を賜りました。インドにはもう計3年近く滞在していることになり、これからも通い続けるつもりです。
まだまだ行者としてはやっと門下に入ったと言えるぐらいの若輩者ではありますが、それでも少しずつ見えてきたことや、インドでのヨーガ修行や、サンスクリット語と神秘主義についてなど、みなさんとシェアーできるお話も何かとあると思います。

それではみなさまのご来場をお待ちしております。よき新年をお過ごしくださいませ。

Hari Om Tat Sat

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平田博満

1990年生まれ
幼少の頃からギリシャやエジプトなどの神話世界に惹かれ、関連した書物を読みながら育つ。10代に西洋哲学と出会い、人はなぜ生きるのか、善や悪の意味とは、といった問いを抱えながら大学に進学、東洋哲学を専攻する。そこで仏教やその他インド哲学との邂逅を果たし、またその実践として現代にも広がっているヨーガへの興味を持つ。大学を休学して一年間旅をしたオーストラリアのタスマニア島で、無人の山を拓き自給自足をしながらヨーガに基づいた生活を送る西洋人夫妻に出会い、そこで初めてアーサナと真言(マントラ)詠唱の手ほどきを受ける。帰国後大学を卒業、卒業論文のテーマは「空海撰『声字実相義』における法身説法思想」。空海の思想と真言密教の教学を学ぶにつれ、サンスクリット語への興味を益々募らせる。その後即インドに旅立ちヒンドゥーのアシュラムや仏教僧院を訪ね回りヨーガの実践とサンスクリット語の学習を始める。現在はインドと世界各国を回りながら、ヨーガ、サンスクリットの学習の傍らミュージシャンとしても活動している。

○日時:2019年1月15日(火)20:00~21:30(お店は23時まで)※途中入退場OK
○場所:気流舎(下北沢) https://goo.gl/maps/yQvaDd7Zn262?
○参加費 投げ銭+1オーダー