何もないのさ

そう、ここには何もないのさ。
探していたものなどない。
では我々の日々の営みは
すべて無駄だというのか?
いや、そんなことはない。
探すという行為にこそ
探している対象が宿るのさ。
愛なんてない。
でも愛なんて知らずに
愛し抜くことはこっけいで
美しいだろう?
それは愛なんじゃないかな。