Emil Ruder の "Typography" も、 Josef Müller - Brockmann の "Grid Systems in Graphic Design" も、買ったのは ABC だった。高価な洋書を買うお金なんてなくて、何度も迷って立ち読みをした。この本は自分に必要なんだって言い聞かせてドキドキしながらレジに持っていった。そうやって買った本が何冊もある。今でもインスピレーションが必要なときに、まず助けを求めるのは ABC だと思ってた。実際、僕が会社のホワイトボードに書く「資料探し昼出社」は、「ルミネの ABC に寄ってスタバでコーヒー飲んでから出社」と同じ意味だった。トートバッグを作ったこともあるし、フライヤーを置いてもらったこともある。深夜の六本木店に自転車を走らせたことも何度あったことか。とにかく今すぐほしいというわがままをかなえてくれるのも、煮詰まったときの焦燥感をクリエイティヴな意欲に変えてくれるのも ABC だった。あの深夜のいいようのない昂揚を抱えて、いったいどこへ自転車をこげばいいというのか。
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