ちかごろの気流舎




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Fri, 30 Apr 2004

漢字のドリームタイム

カルロス・カスタネダ「夢見の技法」二見書房

夢見は経験するものだ。夢見はたんに夢を見ることではない。白昼夢を見ることとも、望みをもつこととも、想像にふけることともちがう。夢を見ることによって、わしらはもうひとつの世界を知覚できるのだ。——ドン・ファン

夢は、シャーマニズムにとって重要な「もうひとつの世界」だ。シャーマンは夢見という技法を使って意識の深淵に触れ、世界を説明しようとする。実はその「夢」という漢字が、そもそも夢占いをする巫女(つまりシャーマン)を表すのだという。

白川 静「字統」平凡社

「かん」と夕(ゆうべ)とに従う。「かん」は媚蠱(びこ)などの呪術を行う巫女(ふじょ)の形。その呪霊は、人の睡眠中に夢魔(むま)となってその心をみだすもので、夢はその呪霊のなすわざとされた。(「かん」の字は表示できません。ここ参照)

なんという符合だろう!
いや、おどろくべき符合ではなく、たんに僕たちが「夢」の生い立ちを知らずに過ごしてきただけか。そう、夢は睡眠時の幻などではない。心を開こうとする者にとっては「もうひとつの世界」を垣間見せてくれる入り口なのだ。そして、そのことを「夢」という漢字は数千年にも渡って示し続けてきてくれた。夢のなかで蝶となった荘子は、百年を花上で遊んだという。目が覚めてどちらが現実かを問う必要は、もうないだろう。もちろんどちらも、だ。

…なんてことを書いてますが、一応注釈。
「白川漢字学」は呪術的、祭祀的色彩が強く、これが一般的な解釈かというとそうでもないようです。例えば角川「大字源」も、大修館「大漢語林」も、「暗いなかで見るもの」という程度の説明しかしていません。かなりの温度差があります。

どうしてこんなことになるのかというと、一般的な解釈は主に中国の古典に依っているところを、白川さんの場合は、さらに遡った甲骨文字の研究の成果も加味しているからのようです。甲骨文字が発見されたのは1899年であり、それ以前の古典を絶対視するのはおかしいだろう、というわけです。なるほど。さらに、白川翁は漢字を通して無文字時代の意識にまで迫ろうとします。

漢字の構造は、その文字体系の成立した時代、今から三千数百年以前の、当時の生活と思惟のしかたを、そのままに反映している。あるいはまた、それより以前の、文字がまだなかったいわゆる無文字時代の生活と思惟のしかたが、その時点において文字に集約され、その一貫した形象化の原則に従って、体系的に表現されている。漢字の歴史は、その無文字時代の意識にまで、遡ることができるものといえよう。(「字統」)

なんと壮大な漢字の宇宙なのでしょう。 残念ながら僕はどちらに妥当性があるのか判断する知識を持ち合わせていませんが、白川漢字学の方がはるかに豊かな「夢」を感じますよね。

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Tue, 27 Apr 2004

マリワナ So スウィィイ

マリファナ・マーチ2004

1998年より毎年5月に大麻自由化を掲げて世界の各都市で行われている世界同時イベントです。昨年(2003年)は、アメリカ・ヨーロッパを中心に225都市で開催されました。日本では、2001年にカンナビストの主催により東京がアジア地域における唯一の都市として初参加、以降、参加人数は毎年増加しています。

昨年は1,200人の参加があったようです。今年は大阪と札幌でも開催。カンナビストの会員は2,800人を越えています。大麻自由化の流れは静かに、しかし着実に。ホントは気流舎として参加して、サイケデリックス関連書籍を並べたいけど、いつになることやら(こんなのばっかり)。

アースデイで見つけた麻詩(まうた。素敵な名前だ)さん
圧倒的な存在感。魂に触れる詩を詠むにはこんな友が必要。

ちなみにタイトルはマガリさんコラムから拝借。
by スケさん。

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Sun, 25 Apr 2004

企業の社会的責任とブランドの未来

あんまりシゴトの話はしたくないんだけど…。

「ブランド」ってどーもうさん臭いですよね。仕事で使っててイヤになる単語の代表です。正直言ってどーでもいい。なるべくなら関わりたくない。「マーケティング」や「ターゲット」なんていう得体の知れない言葉を使って生きたくはない。しかしまあ、(今はまだ)デザイナーとして広告だのブランドだのに否応なく関わってしまっているので、ここはひとつ建設的な「ブランド」のとらえ方を考えてみたい。

このところ図書館に通って「企業の社会的責任(CSR: Corporate Social Responsibiliry)」に関する本を乱読。おもしろい。とくに関心は、ブランドとの関係。

ナオミ・クライン「ブランドなんか、いらない」はまの出版
において、既に問題は十分すぎるぐらいに指摘されている。生活者はブランドの欺瞞を鮮やかに見抜いている。「ADBUSTERS」に代表されるカルチャー・ジャミングは、自分達の創造性が消費社会の拡大に利用されることに反発するクリエイターの本能的な対抗運動だ。

でもさ。
「いらない」と突っぱねたり皮肉にジャミングしてみたところで、ブランドは無くならないし、消費はつづくだろう。否定や攻撃だけで世界を変えることはできない。世界を変えてゆくのは、創造的な解決策の提案(と実行)であって、それを仕事としているのがまさにデザイナーではないのか。

水尾順一 編著「ビジョナリー・コーポレートブランド」白桃書房
は、示唆に富んだ視座を提供してくれている。生活者はもはや商品だけでなく、社会的責任を果たしているかどうかという、企業姿勢そのものを評価しようとしている。これからは、社会的責任を果たし、共感できる夢を語ることのできる企業だけが、「企業ブランド」として評価されてゆくだろう。

こんなブランドなら関わってもいい。CSRを重視する企業と生活者は、新しい、誠実なコミュニケーションを必要としていて、デザイナーはそこに貢献することができるはず。

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Sat, 24 Apr 2004

新しい世界のためのデザイナーのための情報源


マニフェスト
First Things First 2000邦訳

カルチャー・ジャミング
ADBUSTERS
Culture Jammers jp
Subvertise.org
Logotype Free ::

組織
Design for the World
ICIS
ICIS :: Sustainable Design links
Public Media Center
KesselsKramer
amgsk.net
Eco Media Foundation
Green Creators Network
SUSTENA

環境コミュニケーション
環境コミュニケーション最前線
環境ラベル(ISO14020s)
環境ラベル等データベース :: マーク索引

コンペティション
memefest
エコ・メッセージ&デザイン・コンペ

会議
Webコンセプト会議 ::
「21世紀の社会システムにおける広告メディアの役割」を考える
VISUALOGUE ::
「傷つきやすい世界とブランディング」
「グローバリゼーション時代に意味あるデザインを問う」

「デザイン・フォー・ザ・ワールド」

紙、印刷
竹尾グリーンエイド
エコマーク検索(No.107印刷用紙)
GPN :: 「印刷・情報用紙」購入ガイドライン
GPN :: 「オフセット印刷サービス」発注ガイドライン
紙に関連するマーク
日本水なし印刷協会
アメリカ大豆協会 :: ソイ・インキ
ゼンコロ :: 印刷を行っている社会福祉法人

本、雑誌
ADBUSTERS
Kalle Lasn "CULTURE JAM" HarperCollins
ナオミ・クライン「ブランドなんか、いらない」はまの出版
ヴィクター・パパネック「生きのびるためのデザイン」晶文社
ヴィクター・パパネック「人間のためのデザイン」晶文社
ヴィクター・パパネック「地球のためのデザイン」鹿島出版会
水尾順一 編著「ビジョナリー・コーポレートブランド」白桃書房
広告」(03/'01-03/'02)博報堂
岡部一明「 サンフランシスコ発:社会変革NPO」御茶の水書房
環境ラベル 一般原則&タイプI,II,III」(財)日本規格協会
見田宗介「現代社会の理論」岩波新書
毛利嘉孝文化=政治 」月曜社

ことば
「デザインは若者がそれによって社会変革に参加できるようなものであるべきだし、そうならなくてはならない。」—ヴィクター・パパネック
「デザインと広告という、互いに他を前提し媒介しあう〈情報化〉の二つの様相を両輪として、消費社会の「繁栄」の走行は駆動している。」—見田宗介
「われわれの問題解決能力には、もっと価値のある使い道が残されているはずである。」—First Things First, A Manifesto
「美しさで木に勝る大看板などこの世に見ることはないだろう。そればかりか、大看板が撤去されなければ、そもそも木を見ることもないだろう。」—オグデン・ナッシュ(アーサー・ビナード訳)


主に平面。プロダクトは他にまかせた。
この情報はここのURL(=permalink)で随時更新されます。

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Wed, 21 Apr 2004

ゴールデンウィーク レイヴ情報

集めてみた。たくさんあるもんですね。
さて、どこで踊りましょうか。


載せんなっていうオーガナイザは
ご連絡いただければ消去します。

ちなみに、
4月17日 ブラッドフィールド彗星が近日点(観測は下旬から)
4月23日 リニア彗星が近日点
4月26日 おとめ座流星群が極大
4月28日 月が上弦
5月2日 金星が最大光度
5月5日 満月。皆既月食(日本では欠けながら沈む月没帯食)
5月6日 みずがめ座η流星群が極大
5月7日 ニート彗星が最接近
ほしぞら情報新彗星の発見天文現象カレンダー大彗星がやってくる!


呼吸 -ko-kyu-
4月24日(土)@茜浜緑地(千葉)
more info: mjmdjr@hotmail.com

THE SPILITS & THE FIRE
4月24日(土)@宮ノ平キャンプ場(長野)
more info: 桃源郷

MESSENGER
4月24日(土)〜25日(日)@梅ヶ谷の森キャンプ場(東京)
more info: MESSENGER

男魂祭 & 〜融合〜
4月24日(土)〜25日(日)@玉川キャンプ村(山梨)
more info: Psychommunity

Aetherial Lights - 上天の光
5月1日(土)〜3日(月)@牧場の家キャンプ場(静岡)
more info: Heavens Door

Midimiliz vs K.U.R.O Japan Tour
Open Air Party - De-code Experience
5月1日(土)@大阪南港緑地公園(大阪)
more info: Ring

MAN DRIVE TRANCE SPECIAL
5月5日(木)@日比谷野外音楽堂(東京)
more info: ROVO!

TETRACORD and PEACEBANGIG PREZENTS
feat. PROTOCULTURE
5月7日(金)@宮ノ平キャンプ場(長野)
more info: 桃源郷

"maniaXtyle" OUT AIR SPRING
5月8日(土)@南木曽蘭キャンプ場(長野)
more info: Maniac I.Q

DATMAFIA OUTSIDE PARTY
5月8日(土)〜9日(日)@富士入会の森キャンプ場(山梨)
more info: Global DatMafia

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ダンスの死

「REMIX」5月号の野田努によるFUMIXのインタビューがちょっと面白かった。英ガーディアン紙が主張する「ダンスの死」について問われ、「いや、アンダーグランドに戻って、かえってピュアになった」というような答えをしてました。「ダンスの死」がどのような論調なのか知らないので少し気になる。

たまたま今読んでる本ににこんな一節があったので引用。
中沢新一「熊から王へ」講談社選書メチエ

(先住民族の首長は歌も踊りもうまいことや、政治権力の現代的な形態とは異なる別種の権威を考察したうえで)現代の若者たちの文化にもっとも影響力をもっているのが、ミュージシャンであるというのも、こう考えるとなかなか意味深いものがあります。そこには、一つの社会にとってもっとも重要な「価値」は、歌と踊りとともに出現するものであってほしいという、きわめて古い人類の願望があらわされているのではないでしょうか。

おそらく人類の出現と歴史を共にするであろう音楽と踊りは、そう簡単には死なない。数万年の時を経た音に対する感覚的な呼応(それは時に躍動であったり、歓びであったり、癒しであったり、悲しみであったり、あるいは神聖さであったり)が、たかがレイヴの非合法化や CCCD や輸入盤規制で変わることはないだろう。でも、だからこそ、その感覚を呼び覚ましてくれる契機を失うことに、僕らは敏感になるのだ。法は、治安や著作権や経済よりも、「音と出会い戯れる機会」そのものを規制しようとしているのではないか、と。


著作権法の改正により、輸入盤がお店で買えなくなる恐れがあります。
海賊版でも還流盤でもなく、海外で作成された正規のタイトルが、です。
CDだけではなく、アナログ盤も対象とされます。

海外盤CD輸入禁止に反対する
洋楽CD輸入盤禁止か
ヘンじゃないか輸入権
「逆輸入CD」禁止で洋楽海外盤も消える?
benli(小倉秀夫弁護士)
Music Liberation Front
音楽配信メモ
CCCD Channel
C堂 CCCD特集
春の恐怖情報とかCCNAとか

あ、あと
ゴルゴ内藤「太陽と風のダンス」太田出版
というレイヴトラベルものが出てました。

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Tue, 20 Apr 2004

いつか読む本

ミルチア・エリアーデ「シャーマニズム」ちくま学芸文庫

この書物は、われわれの知る限り、シャーマニズムを宗教学全般のパースペクティヴのなかに位置づけつつ、その宗教現象全体を俯瞰した最初のものである。

なんと文庫に! 気流舎はシャーマニズムを重点項目として挙げているにもかかわらず、読んでいませんでした(だって、古本で二万円以上するんですよ!)。せっかくだから持ち歩いて読もう。

読んでない本はいつまでも楽しい。
このサイトで挙げている本を僕が全部読んでいるわけではありませんよ、念のため。読んだ本よりは、「いつか読みたい本」に駆動されている気がする。そんな本に囲まれて暮らしたいから古本屋になるといってもいいぐらい。だから、気流舎に置かれる本は、「あー、それ、僕も読みたいんだよね」っていう本が多いと思う。古本屋にしては心もとないね。なにしろ読んでないから、内容を聞かれても困る。専門家にもなれないだろう。でもそのぶん、いつまでも変わり続けることはできる。僕やお客さんが本を読んで、変わってゆく過程がそのまま気流舎になるといい。

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Sun, 18 Apr 2004

アースデイ東京2004

今年も出店ならず。フライヤーだけでも置かせてもらいに行ってきました。たしか去年も同じフライヤーで同じことしてたような気が…。Earth Market Books という古本屋さんを発見! 同じココロザシの方もいるもので、お話を聞かせていただきました。気流舎はいつになったら出店できることやら。他にも何ヶ所かに置かせてもらったり、お話を聞いてもらったり。みんなありがとう。ふだんあまり気づかれないけれど、オルタナティヴな心を持った人たちはたくさんいるのだ。アースデイはいつもそれを確認させてくれて、うれしい。

erthday.jp
アースデイ東京2004

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Sun, 11 Apr 2004

本と空さえあれば

生きていけるとは思わないけど、でもそう感じる瞬間はある。最近会社の辞め話で気が滅入っていて、こんな時は空の下、草の上で本を読みたいと思う。「カイエ・ソバージュ」を二冊と敷き布をもって自転車に乗る。目指すは代々木公園。できるだけ、知らない道を選ぶのがいい。四谷近くで素敵な商店街を発見(ほらね!)。入り組んだ小道、坂道、ネコの道。魅惑的な雰囲気に惹かれて奥まで探検。(後で調べたら、柳新町通り、車力門通り杉大門通りといって、かつては花街として栄えたらしい。どおりで。)そのあともフラダンスの練習をのぞいたり、五匹の犬の散歩を眺めたり、リカンベントを追い抜いてみたり。結局代々木公園にたどり着いたのは夕方近くで、ジャンべとディジュリドゥの響く大公園のピースな包容感に浸って本はあまり読まなかった。でもそれで満足。本が外に連れ出してくれたのだと思う。

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Sat, 10 Apr 2004

友よ

犯行声明

神の名のもとに
この世の中にいるいろんな国民がみな良い関係になるように生きなければならない

コーランのすばらしい言葉を教えてくれてありがとう。そのとおりだと思う。でも(君たちの神聖な土地を汚した、アメリカや日本の政府とまったく同じように)君たちの方法ではたぶん無理だとも思う。まずは、目の前にいる3人の話を聞いてみたらどうだい。彼らはアメリカの占領にも、自衛隊の派遣にも反対していたそうだ。案外、話があうかもよ。友情を確かめるのに武器はいらないだろう。

…なんてふやけたことを考えていたら、内田樹(いつのまにかブログに!)が戦争はそんなもんじゃねーぞって書いてた。

だが、そのような「個々人の内的な動機」を読みとるという作業がネグレクトされ、「敵か味方か?」の二分法でしか人々がものを考えなくなるような状態のことを「戦争」というのである。

うーむ。しょせん、平和の中での脳天気な願望でしかないということか。でも、ほら、そういう可能性をイマジンしてみることぐらいはできるしょう。戦場のテロリストと二分法を越えて友達になることを、さ。「こまやかな配慮を過大評価している」わけではなく、それは、人間性に対する根底的な希望だと思うのだが、どうかしら。


WORLD PEACE NOW
緊急アクションポータルサイト
CLUB Wee!
NO!! 小型核兵器(DU)サッポロ・プロジェクト

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Wed, 07 Apr 2004

芝生と本とコーヒー

book YARD landscape dirty works

皆様にもっと緑と環境を身近に感じて頂きたく思い「土」をテーマに、おいしいコーヒーと本をご用意して折りますので、どうぞ遊びにいらして下さい。

なんと、よさげだね。本は COW BOOKSCRAFT BOEKEN だそうです。なんかくやしいぞ!

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Tue, 06 Apr 2004

自分を失う旅をする

中沢新一といえば以前、こんなことを書いてました。

宮本常一折口信夫青空文庫)、レヴィ=ストロースの読書体験を紹介した後で)私はこういう読書をとおして、いつも「トランス」を体験していたのである。トランスする読書——文字通り「自分の外に出て行くこと」を体験させてくれるような読書。あなたにとって読書とはなんですか、とたずねられるたびに、自分を失うためにだけ私は本を読みます、と答えることにしている。(朝日新聞2004年2月8日)

このコーナーは自分の読書遍歴を明かす連載で、過去には細野晴臣が「ドン・ファン」シリーズの紹介も。

人間の感覚を拡張することが芸術の本領だとすれば、本でも音楽でも未知の感覚を呼び覚ましてくれるものに触れていたい。その意味で、ぼくの人生を変えた本がある。米国UCLAで人類学を専攻したカルロス・カスタネダのノンフィクションで、メキシコに散在するヤキ・インディアンの呪術師を取材したものだ。…おかげでぼくは注意深く生きようとし、自分ですら、思うほど重大ではないと思うようになった。この感覚は今まで自分の中で使われたことのない新しい感覚だった。(朝日新聞2003年6月22日。彼はこのひとつ前で「ローリング・サンダー」も挙げています。)

気流舎もそんな本をそろえたいものです。ちなみに、このお二人は
中沢新一、細野晴臣「観光」角川書店 →ちくま文庫
という聖地巡礼の本を書いたり、ICCで「ネオ・シャーマニズム」をテーマにトークセッションをしたりもしてたんですね。(いま知った)

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Sun, 04 Apr 2004

野生のノートを買える街

中沢新一「カイエ・ソバージュⅠ〜Ⅴ」講談社選書メチエ
をまとめ買い。お目当ての本が決まっているときは、自分の街で買うことにしている。歩いてすぐのとろこにある本屋さんは、一見なんのヘンテツもない小さな店だけど、奥には店主の熱い想いがひそやかに息づいている。山積みになった芥川賞受賞作の先に「カイエ・ソバージュ」が揃い、「磁力と重力の発見」が並び、「無神学大全」が鎮座している。アイヌ神謡集の裏側には山尾三省の詩集。この品揃えには理由があって、たぶん、近くに大きな出版社があるからだと思う。角を曲がったラーメン屋にも「週刊読書人」が置いてあるこの街が、僕は好きだ。

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転機は突然に

事態は急変。人生は計画通りにはいかない。いろいろあって、辞める用意もあることを会社に伝える。そんな話をするつもりはまったくなかったのだけど、ま、いろいろありまして。ウソをつくのが苦手な僕は、話しておかざるを得ませんでした。資金のことも考えてなんとなく今年いっぱいは働くつもりだったので、自分でもおどろく。せめて夏のボーナスはもらわないと困るのに、と今さら焦ったりする。

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Sat, 03 Apr 2004

私の野口晴哉

という見田宗介の文章が、朝日新聞4月2日付夕刊に掲載。

一冊の本を紹介することは、いつでもとくべつな友情の表現である。それはその書が誤解なくその深みにおいて理解してもらえるだろうということを、そしてその書を紹介したわたしの行為をまっすぐに受け取ってもらえるだろうということを、信じて放たれる心おどる冒険であるからである。…野口晴哉の『治療の書』を挙げるということは、とりわけて心のおどる冒険であるように思われる。

連載みたい!

挙げられている本をメモ。
野口晴哉「治療の書」全生社社団法人整体協会
レヴィ=ストロース「野生の思考」みすず書房
D・H・ロレンス「現代人は愛しうるか 黙示録論」中央公論社
↑文中では「アポカリプス」になってるけど、これかな?
真木悠介「気流の鳴る音」筑摩書房 →ちくま学芸文庫
真木悠介「旅のノートから」岩波書店
野口三千三「原初生命体としての人間」三笠書房 →岩波現代文庫

見田宗介/真木悠介に関して、立命館大学のデータベース発見
レジュメ載ってます。おぉ。見田宗介氏の歩き方も参照。

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さくら

きれいですね。ほんとうに。
美しさにはあらがえない。

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