Sun, 29 Aug 2004

天朗気清恵風和暢仰観宇宙之大俯察品類之盛

先日買った、柳宗悦『民藝四十年』岩波文庫。
近所の本屋さんでかけてくれた紙のカバーが
なにやら漢字で覆われていたので調べてみたら…。
王羲之(おうぎし)の「蘭亭叙」でした。
書の聖人が酔っぱらって書いた最高傑作。
そうか、これが王羲之か…。

書のさんぽ道 :: 蘭亭叙をみる

蘭亭叙が何よりすぐれている点は、「卒意の書」であったことだと言われています。卒意の書とは、上手く書いて人に見せるという意識がなく、心の感ずるまま自由に書くことです。書いた動機が純粋なだけに、それが見るものを引きつけるのでしょう。

柳宗悦の本にこれほどふさわしいカバーもないですね。
しかも、

この日、空は晴れわたり空気は澄み、春風がのびやかにながれていました。我々は、宇宙の大きさを仰ぎみるとともに、地上すべてのものの生命のすばらしさを思いやりました。

っていいこと書いてあるではないですか。
ちなみに、『カイエ・ソバージュ』を買ったのと同じお店です。
その博雅なセンスに脱帽。

さて、気流舎のブックカバーは
どんなものにしましょうか。

石川九楊『やさしく極める"書聖"王羲之』新潮社
石川九楊 編『書の宇宙』二玄社書店(第6冊:書の古法[王羲之])

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