Sun, 21 Mar 2004

文化を自由に

ICCシンポジウム「クリエイティブ・コモンズ」
山形浩生×ローレンス・レッシグ×伊藤穣一
に行った。内容の報告は他のサイト(こことか)におまかせして、ここでは僕が思ったことをなんとなく。基本的に、すごく期待してます、クリエイティブ・コモンズ。でもかなり根本的なところで違和感も感じてる。それは、「作者」や「作品」を他から明確に峻別できる、という発想に基づいている点では、既存の著作権法と同じだろう、ということ。サンプリング/リミックス文化を知ればわかるように、もはやそんな単位は意味をなさないように思う。

ロック少年リハビリ日記

クリエイティヴ・コモンズを含むこれらのフリーライセンス運動というのは,逆説的に古典的な「作者—作品」意識を強固にする方向に向かうのではないか。 クリエイティヴ・コモンズは,サンプリングやリミックスといった手法の影響とは異なり,ポストモダンな「作者の解体」には向かうことはない

適切かつ、重要な指摘だと思う。僕の文章はアトリビューション(原作者の明記)は不要だけれども、それは不要なのではなく、原作者なんて特定できないと僕が思っているからだ。僕の書いた文章の作者がはたして僕なのか、僕は確信が持てない。それでもアトリビューション不要のコモンズ証を僕がつけなければいけない矛盾は、深い。

それから、「あいまいさ」は排除できる/排除しよう、という発想も危うく感じる。あいまいさが機能する世界は、明示され、線を引き、アーカイヴされてゆく世界よりも、はるかにクリエイティブなはずだ。

ことばとブログとオープンソース

クリエイティブ・コモンズ・ジャパン
HotWired Japan :: 日本の「クリエイティブ・コモンズ」の可能性
2004年3月レッシグ教授来日記念リンク集
無名性、匿名性と文化発展

ローレンス・レッシグ「コモンズ」翔泳社
ローレンス・レッシグ「CODE」翔泳社
椹木野衣「シミュレーショニズム」洋泉社 →ちくま学芸文庫
ジャン・ボードリヤール「シミュラークルとシミュレーション」法政大学出版局
ロラン・バルト「物語の構造分析」みすず書房

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