ちかごろの気流舎
隔週木曜21時 「夜の知恵カフェ」やってます。
月曜日は定休日ですが、MASA's Cafe として営業中。
細々と営業中。
7月12日(日)17時半 「エンデの遺言」とお金の仕組みを語ろう会
7月15日(水)20時 コスタリカから学ぶいのちの力
7月16(金)〜24日(金)皆既日食でお休み
7月26日(日)さっちゃんライヴ
7月30日(木)マブリ浴衣ライヴ
・最新情報は気流舎MLをご利用ください。(推奨!)
・水曜定休でしたが、今は月曜日を定休日にしています。
・移動仮設型ブックカフェつくってます。→「さわさわ気流舎(仮)計画」
・気流舎図案室はこちらから。
「本当に大切なことを一番に」声明文
この声明文に名を連ねる私たちは、グラフィック・デザイナー、アートディレクター、ビジュアル・コミュニケーターである。私たちが育ってきたこれまでの社会では、広告の仕事が、自分たちの才能を活かし、高収入をもたらし、効果も見えやすい理想的な職業のナンバー・ワンであるかのように思わされてきた。多くのデザイン関係の教師や指導的な立場の者たちも、そう信じて指導にあたってきたし、業界でも広告関係には高い報酬が支払われ、さらにおびただしい量の書籍や出版物により、この「広告至上主義」は動かしがたい事実として定着してきた。
デザイナーたちはこれに踊らされ、犬用のビスケットやデザイナー・ブランドのコーヒー、ダイヤモンド、洗剤、ヘアージェル、煙草、クレジットカード、スニーカー、痩身クリーム、ライト・ビール、RV車などの販売促進のために、自らの技術と想像力を使ってきた。コマーシャルの仕事をこなしていれば食いはぐれることはなかったが、今や多くのグラフィック・デザイナーたちが、ほぼすべての時間をコマーシャル制作に注ぎ込むまでに成り下がってしまった。それにつれて、人々はデザインというものを、コマーシャルとしてしか感じなくなった。デザイナーたちのプロとしての時間とエネルギーが、本来生活に必要とされていないものの需要を生み出すために、消耗されているのである。
私たちはこんなデザインのあり方に平気でいることはできなくなってきた。広告やマーケティング、新ブランド開発に主に取り組んでいるデザイナーは、消費者の話し方、考え方、感じ方、反応の仕方や関係の持ち方そのものまでがコマーシャル・メッセージによって変えられていくような、そんな精神的環境を作り出し、積極的に支持していることになる。すなわち私たちは、人々の対話を減らし、蝕んでいくように誘導しているに他ならない。
私たちの問題解決の力を活かす、もっと有益な活動が少なからずある。環境、社会、文化における未だかつてない危機的状況に、今こそ、私たちは注意を向けなければならない。文化的対立を調和し、社会的キャンペーン活動、書籍や雑誌の出版、展示会、教材やテレビ番組、映画、チャリティー活動など、情報の加工が求められるさまざまなプロジェクトに、私たちの専門的知識を活かし協力することが必要とされている。
私たちは、従来の価値観を見直し、より有益で持続可能かつ民主的なコミュニケーションのあり方を志向し、モノの生産から脱却して、新しい意義づけを模索し創造していくことを目指そうと提案する。人々が互いの考えをぶつけ合う機会がだんだん減ってきている。もっと機会を増やしていかねばならない。消費主義はあまりに肥大しすぎている。これに対抗する新たな視点を、視角表現やデザインを活用し、提示していかなくてはならない。
1964年に、22名のビジュアル・コミュニケーターたちが、自分たちの才能をもっと意味あることに使おうという声明を出した。商業主義のグローバル化が爆発的に広がる中、このメッセージの緊急性は高まっている。私たちは、この声明が実現しないままさらに数十年が過ぎ去ることを許さないために、ここに新たに発表するものである。
(以下署名)
覚え書き
First Things First は1964年にケン・ガーランドをはじめとする22名の署名により発表されました。時をへて1999年秋、同時代的に書き換えられたものが「ADBUSTERS」をはじめとする7誌に掲載されました。これが、First Things First 2000 です。掲載時の筆頭署名者はジョナサン・バーンブルック。以下、ティボー・カルマンやエリック・スピーカーマンら33名が署名しています。また、First Things First 2000 はウェブで公開されており、賛同する人はだれでも署名することができます。
邦訳について
原文は Adbusters: First Things First で読むことができます。この邦訳は Global Village 発行の「People Tree」2001春夏号に掲載されたものを転載しています。また、博報堂発行「広告」2001年3月号には1964年の宣言と共に別の邦訳が掲載されています。
新しい世界のためのデザイナーのための情報源
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