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Wed, 13 Feb 2008

【気流学舎 027】カルチャーショッキングVol.2



強盗から始めよう!
〜ベルナール・スティグレールの監獄的現象学〜

ハスラー・ラップ」から「監獄的現象学」へ友達の輪? 第2回目のカルチャーショッキングは、犯罪繋がりでフランスの哲学者ベルナール・スティグレールの世界をショッキングに紹介します。ゲストはマルボロ内親王。皇族の方ではないです。念のため。ほとんど同じ時期に別の監獄にいたトニ・ネグリと無理やり繋げてやろうというのはボクの勝手な魂胆です。

監獄経験はあるんだけど哲学にはちょっと疎い方、逆に哲学には詳しいんだけど監獄経験がまだない方の参加をお待ちしています。互いに交流しましょう。

ベルナール・スティグレールってこんな人。


日時:2008年3月1日(土) 20:00〜
場所:気流舎

ゲスト:マルボロ内親王
ホスト:ハーポ部長
参考文献:『象徴の貧困』『愛するということ』『現勢化』の三冊のスティグレール本

無料。カンパ歓迎!

以下、内親王からのメッセージ

1831年、26歳のチャールズ・ダーウィンはビーグル号に乗り、進化論のヒントを彼に与えることになるガラパゴス諸島へと出発する。1905年、26歳のアルバート・アインシュタインは「特殊相対性理論」、「ブラウン運動の理論」、「光量子仮説」を発表し、人びとに「奇跡の年」と呟かしめる。そして1978年、26歳のベルナール・スティグレールは武装強盗を決行し、彼の哲学の揺籃の地となるトゥールーズのサン=ミシェル監獄に収監される。

ラカンは言った、「原因はうまくいかないところにしか存在しない」、と。なにかが故障するとき、われわれはまなざしの向きを変え、それまでは自明であった世界の方へと向き直ることを余儀なくされる。それゆえもし哲学が自明であると思われている世界のその根源を問うものであるとするならば、その哲学はすべからく一つの故障から出発しなければならない。そして哲学がその問いを極限にまで高めようとするならば、その哲学は必然的に極限の故障から出発しなければならない。

犯罪とは、世界の世界性の故障にほかならない。犯罪において世界は根本から頓挫する。しかし世界はその頓挫からの回復方法を発明した。それは監獄である。そして世界は犯罪者をその監獄へと送り込む。ただし断っておくが、これは決して犯罪者を罰するためなどではない。それは思索のため、犯罪者が具体化した世界の故障のその原因を深く思索させるためにこそ、世界は犯罪者を監獄へと送り込む。あまり知られていないことだが、監獄とは哲学者の養成所であるのだ。

外界から切り離された独房のなかでは、世界は完全に宙吊りにされる。囚人はその世界の純然たる不在のなかで、ほかならぬ世界そのものについての思索を迫られる。ベルナール・スティグレールもまた、彼が「実践的エポケー」と呼んだこの監獄的な世界の宙吊りのただなかで、その独自の哲学の歩みを開始した。それは監獄で磨き上げられた監獄的現象学だ。

人は犯罪という思いもかけぬ故障を通して、監獄で哲学者に生まれ変わる。そして哲学という名に磨き上げられた世界の故障は監獄から持ち出され、世界を新たに組み替えるための武器になる。

哲学はすべからくミニチュア化された監獄である。それ自体が監獄に起源をもつ哲学は、僕らを束の間あの世界の不在という独房のなかに閉じ込める、持ち運び可能な監獄である。哲学が語られるたびごとに、そこには監獄が、世界の故障が繁殖する。ここに、そこに、いたるところに。さあ監獄から始めよう!監獄から監獄を持ち帰ってきたベルナール・スティグレールとともに!

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