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Fri, 16 May 2008

【気流学舎 048】映画のポケット Vol.9「栄光なき天才たち 中平康vs蔵原惟繕」

ゲスト:重山規夫
司会:鈴木並木

05月24日(土)19:00〜21:00(試合展開により延長の場合あり)
@下北沢・気流舎
無料(ドリンクをオーダーすることを推奨)
参加自由/申し込み不要/途中入場・退出自由


届くべきところにきちんと届いておらず、なおかつ、届いたときに与える衝撃の
大きさを想像するなら、蔵原惟繕とは、道の真ん中に落っこちている、バカでか
い爆弾のようなものだ。この爆弾を放置するのは、犯罪である。……火をつけず
に放置することは! —鈴木並木

今月の「映画のポケット」は、9回目にして初めての“監督シリーズ”です。い
ままでそういった特集をしなかった理由はひとことではいえないのですが、無理
やりひとことでいうと、映画マニアの集会みたいにしたくなかったからです。

今回、禁を破って採り上げるこのふたりは、生まれも監督昇進も中平の方が1年
先ですから、ほぼ同時代人。ともに、50年代後半〜60年代の黄金時代の日活が世
界に誇るべき異才でしたが、ほんのわずかの栄光に浴しただけで、いまだかつて
正しく見られたことがないといっても過言ではないでしょう。

日本のスタジオ・システムの中でヌーヴェル・ヴァーグやらロード・ムーヴィー
やらソフィスティケイティッド・コメディやらをなんとか実現すべく、ときにが
むしゃらに、ときにスマートに、ときにぬけぬけと戦い続けたふたりの苦闘を、
レアな資料をフル活用して具体的に検証/顕彰する120分。

2008年5月24日は、このふたりの正確な意味での再評価が始まった日付として、後
年、映画史の脚注に小さな活字で記されるはず。ぜひ、多くのみなさんに歴史の
立ち会い人になることをおすすめします!

−−−

重山規夫(しげやま・のりお):

1972年生まれ。プチ中平康研究。

幼少の頃に浅草東宝で観た『ドラえもんのび太の恐竜』(1980)で、2台のタイ
ムマシンが壮絶なチェイスを展開するシーンの迫力に言い知れぬ興奮を覚えて以
来、「映画」を観て面白く感じる理由は、キャラクターやドラマの魅力だけでな
く、画面の中の動かし方や音楽の付け方などの「描写そのもの」の魅力が大きい
のではないかと思い始める。

1999年以降、ユーロスペースで行われた「中平康レトロスペクティブ」に通い、
中平作品の虜になる。中でも『誘惑』(1957)はこの世で一番好きな映画。中平
康の“テクニック”を重視した姿勢に強く共感し、その“ダンディズム”にも惚
れ込む。現在、中平康のファンサイトを(勝手に)準備中。mixiのコミュニティ
もやってます。

天才「中平康」研究会
http://mixi.jp/view_community.pl?id=1464846

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